馬鹿舌
私は馬鹿舌で
味音痴とでもいうのかもしれないけれど
基本的に何でも美味しく食べられる
これまっず!っていう経験は一度しかない
他人が
「これお湯やん!」っていうラーメンも
とても美味しくいただいている
でも一度だけ不味いラーメンを食べた
無言になった
東京の観光地で食べたラーメン
不味い経験が初めてだったから
今でもその味を覚えている気がする
一緒に食べていた人も無言で
気まづい空気さえ流れた
8年前ぐらいに一度経験したきり
不味いものには当たっていないので
ラッキーとしておこう
ペッパー
pepperが好き
家に欲しいと思うけれど
それを他人に言うと激しく同意はいただけない
pepperとかアンドロイドとか
私はそういうのに憧れてて
同時に生身の人間と接するのに疲れている
誰も傷つけたくないのと同時に
傷つきたくない
あらゆるものが多様化しすぎている
思想とか思想とか思想とか
アンドロイドはどこまでも純真だ
生まれてきて良かった
夕暮れの山並みを見てて
生まれてきて良かったと思った
山も私も同じ生命のひとつで
京都を囲んでいる山の連なりを見て
山から見たら私はちっぽけな存在で
自分から見たら私は大きな存在で
でも私も山も生命のひとつに変わりない
美しい山を見られて良かった
私も生まれてきて良かった
パズル
私の妹は1000ピースのパズルを
あと数ピースというところで
全部崩してしまう
それを何度も何度も繰り返す
終わりたくない
完成を見たくない
数週間かけて作ったものを
壊してまたやり直す
時間を無駄にしたくない私は
本を読み返さないけれど
彼女は何度もパズルを完成させずに
壊してはやり直す
私も少し余裕を持って生きたい
2.0の世界
数年前にレーシックをして
視力が2.0になった
0.01が2.0になった
あまりに色々なものが鮮明に見えすぎる
星の多さに驚愕した
湯気は細かい水滴の集合体で
一粒一粒見える
空に届きそうなほどの高い木の葉が
一枚一枚風に揺らされている
自然があまりにも美しすぎる
レーシックをすると老眼も早く来るけれど
この美しさを私は見たかった
時間を犠牲にしてでもこの美しさを見たかった
他力本願
この世界は他力本願で成り立っている
食物連鎖もそうだ
インスタントのキムチ鍋を作っている時に
お水を200cc入れてから火にかけるようにと
作り方が書いてあった
実際200cc入れてみたら水が全然足りない
あとの水は付属の野菜からでてくる計算
インスタントのキムチ鍋
乾ききった野菜なのに
それでもこれだけ水分が出てくる
私たち人間は乾ききった野菜さえも信用する
そして野菜は乾ききっているにも関わらず
裏切らない
なんかみんな野菜に
生かされてるなぁとか
野菜の優しさに感動した
私が野菜なら水分なんて出さずに
200ccの水も火で蒸発しちゃって
消費者がクレーム出したら面白いなんて
考えちゃう
いじわる
どうかしたい
どうかしたい