なのにブログ

詩、エッセー、すきなもの思ったことを書く

身近になった外国

私は物心がついたころに

映画ジュラシックパークを見た時に

アメリカの生活に羨望を抱いた

 

家族で海水浴に行った時に

あの水平線の向こうにはアメリカという国が

存在していて

日本とは全く違う生活や価値観や言葉があって

私も早く水平線の向こう側に行ってみたいと

ずっと夢を持っていた

 

外国人と話したり私もアメリカ人になりたいと

思ったから母の持っていた和英辞書を眺めるのが好きでいつもワクワクしながら辞書のページを開いた

 

小学生の時に金閣寺に行って

観光客の外国人にhelloと声をかけて

軽い挨拶程度の会話をするのが楽しかった

 

中学生の時にまだまだユーザビリティ

不十分な時代のインターネットで

値段の高くなったアメリカのゴシップ誌を

ネット注文をした

 

生の生活で使われている英語を知りたくて

全部読めるようになりたくて

一語一語辞書を引いてゴシップ誌を読んだ

 

アメリカから届いたときの郵便ラベルにさえ

発送元の住所を見て

あの水平線を越えてきたんだなって感動した

 

私にとってアメリカという国はとても遠くて

どうにか接触を持ちたくて

でもまだまだ簡単には繋がれない時代で

羨望は大きくなるばかりで

当時の私ができることは英語に触れているときがアメリカと一番近い場所にいる時だった

 

今日もアメリカから注文した

デオドラントを開封したときに

私はかつて感動した郵便ラベルにさえ

目をやらずに放置していた

 

そんなことに気づいた

今はスマホで簡単にアメリカに繋がることが

できるから私にとってその感動は日常化してしまって無になってしまったようだ

 

私の持ってた水平線の向こうまで広がる世界は

いつかスマホの画面の向こうだけの狭い世界に

なってしまったことが悲しかったかな